ビタミンA(脂溶性)
ベータカロチンは、プロビタミンAという、ビタミンAの前駆体と呼ばれるものの一つです。
ビタミンAが二つくっついたような形をしていて、必要に応じてビタミンAとなります。ベータカロチンをはじめプロビタミンAの、おもなものは一重項酸素などの活性酸素を消去する強力な抗酸化剤としてはたらきます。
たとえば、トマトに含まれるリコペンやアルファルファなどに多いルテインなどは、カロテノイドと呼ばれるプロビタミンAの仲間で、これは植物栄養素ともいわれ、抗酸化剤としてのはたらきが注目されている成分です。
普通ビタミンAは肝臓に貯蔵され、必要に応じて消費されます。からだのあらゆるところで必要とされますが、最もよくわかっているのが、目に対する働きです。ビタミンAが欠乏すると夜盲症になることは良く知られるところです。
ほかにも、精子の形成、胎児の発育、免疫反応、味覚、聴覚、食欲、成長などの各プロセスに関係するといわれ、これは細胞分化にビタミンAが大きくかかわっていることによります。
ビタミンAおよびプロビタミンA(ベータカロチンなど)はレバー、酪農製品(ミルク・チーズ・バター・アイスクリーム)、ニシン、イワシ、マグロ、タラなどの魚類、ニンジン、カボチャなどの緑黄色野菜、そのほかトウモロコシ、トマト、パパイヤ、オレンジなどに多く含まれます。
とくに、ベータカロチンを多く含む食材として注目されているのが、ドゥナリエラ・サライナというアメリカのソルトレイクやイスラエルの死海などの塩湖に繁殖する藻類です。
この藻から抽出されたベータカロチンが抗酸化剤としてビタミンEの百倍も強い効力があることがわかり、サプリメントとして利用されています。
ビタミンAは大人では、一日五万IU以上、子供では一日1万2000IU以上摂取すると過剰症があらわれることが報告されています。サプリメントでとる場合は、なるべくプロビタミン(ベータカロチンなどの)かたちで摂るといいでしょう。大人用のサプリメントを、子供がそのまま飲用するのも望ましくありません。また多量に摂取すると流産あるいは先天性欠損症を起こすことも知られていますので、妊婦の場合は医師と相談することをお薦めします。
ビタミンAを多く含む食品
レバー ミルク アイスクリーム ニンジン トウモロコシ
チーズ バター カボチャ トマト
この他に・・・魚類はニシンイワシマグロタラ。果物ではパパイヤオレンジなどに多く含まれます。
ビタミンD(脂溶性)
ビタミンDはカルシウム代謝になくてはならないビタミンです。また最近の研究で、造血や細胞の分化と増殖、インスリンの分泌促進などにも関係していることがわかってきました。
ビタミンDとは一般名で、コレカルシフェロールと呼ばれるビタミンD3やエルゴカルシエロールと呼ばれるビタミンD2などのいくつかの形があり、それぞれ少しずつ構造が違っています。
ビタミンD3はからだの中(皮膚)で作ることができ、日光に当たっていれば本来は不足しないビタミンです。ところがビルや地下などの屋内で生活すること多く、また日焼け止めクリームを使うなどして紫外線を避けることも災いして、不足するようになったといわれています。
ただ、生活による個人差も大きく、サプリメントで摂取する場合には、ビタミンD中毒症にならないように注意する必要があります。
ビタミンDが関与する症状はたくさんあり、副甲状腺、甲状腺、皮膚、肺、すい臓、肝臓、腎臓、骨、小腸などに関係するさまざまな病気がビタミンDと深い関わりをもっています。
ビタミンDを多く含む食品
ビタミンE(脂溶性)
ビタミンEはトコフェロールと呼ばれ、α、β、γ、δのギリシャ文字の頭文字がつく、4つのタイプにわけられます。
そのうち最も活性が高いといわれているのがα−トコフェロールで、α型を100とすれば、β、γ、δ型の生物活性はそれぞれ40、10、3しかありません。空気中で簡単に酸化されてしまうので、一般には酢酸塩の型で用いられます。これが水に溶けると、活性を持つトコフェロールに変わるのです。
自然界に存在するα型トコフェロールはRRR−α−トコフェロールまたはd−α−トコフェロールといって同じα型でもこれが最も活性が高いのです。d1−α−トコフェロール(all−rac−α−トコフェロール)は合成されたビタミンEで、活性はやや落ちるとされています。
ビタミンEが注目されるようになったのは、不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ抗酸化作用があることがわかったからです。
組織内の脂質や細胞膜を作る不飽和脂肪酸が酸化して、膜が損傷してしまうことを防ぐといわれていますが活性酸素の害が叫ばれる現在、ビタミンEは大切な栄養素といえるでしょう。
また最近とくに注目されているのが、いろいろな毒物に対する防御作用です。鉛や、水銀、四塩化炭素、ベンゼン、クレゾールなどの肝臓毒やいろいろな薬品などの害から守ってくれるといいます。こうした毒物はフリーラジカルを発生させるので、ビタミンEのはたらきは重要です。環境汚染物質を防ぐことも動物実験であきらかになっています。
ガン患者の血中ビタミンE濃度を測定すると、健康な人に比べて濃度が低いと言うデータもあり、とくに乳ガン、肺ガンでそれが顕著でした。ほかの要素もあるので、このことだけでビタミンEがガンに対して有効だとは断定できませんが、ベータカロチンやセレニウムとともに、ビタミンEもガンとの関わりが深い栄養素といえるでしょう。
ビタミンEは脂溶性で、脂肪とともに吸収されるので、脂肪の消化・吸収が悪い人は不足がちになります。人工透析を受けている腎臓病患者は貧血を起こすことがありますが、ビタミンEを補給することで、貧血が改善されることも報告されています。
ビタミンEを多く含む食品
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